先日、結婚相談所の口コミを見ていたら、こんなコメントを見つけました。

文字が小さいので抜粋を下にのせます。
“(前略)こないだ条件マッチングで会うことになった女性会員(入会して)、写真じゃ分からなかったんだけど、実際会ってみたら、重症のアトピーかなんかの皮フ炎で、かきむしったせいか、腕は傷だらけ。指からは、炎症のせいか生々しいほどに血が出ていました。それに顔、首、肌がガサガサ、ごわごわでした。頭髪も、皮フ炎の影響で抜けているせいか、かなり薄い(ウィッグとかかぶらないんかな)。ちゃんと治療してから婚活してほしいなと、正直おもっちゃいました。1時間近くしゃべったんですが、皮フ炎のことが気になって会話に集中できませんでした。病気の方には、申し訳ないけれど、女性で清潔感が無いのは、即アウトかなと。(中略)重度のアトピー(指から血が滲んでいるのは、無理です)も、ちょっとなあっておもったけれど、会話も膨らまなかったし、マナーに欠ける非礼な女性だったので、少ない出会いのチャンスが、これじゃあなって、肩を落として帰路につきました。(後略)”
(出典:
婚活サイト)
賛否両論あると思いますが、私はこれがアトピー女子に対する男性の偽らざる気持ちなんだな、と思いました。
このコメントを読んで、私は20代の一番アトピーが酷かったときに読んだ、ある女性雑誌にのっていたアトピー性皮膚炎を持っている女性が書いた記事を思い出しました。
雑誌の名前は忘れてしまい、正確な文章も覚えていませんが、だいたい以下のような内容だったと思います。
『私はアトピーを持っています。だいぶ治りましたが、それでも時々湿疹が出たり、ひっかき傷の痕が残っています。私には交際していた男性がいましたが、先日別れました。セックスをすることになって、アトピーのことを彼に言いました。彼は“気にしない”と言ってくれセックスしましたが、後になって彼に“やっぱり気持ち悪い”と言われ、別れることにしました。とても悲しかったです。その後、別の男性と交際することになり、交際する前にアトピーのことを話しました。その男性はアトピーのことを理解してくれ、セックスもしたし、今でも順調な交際を続けています』
恋愛、結婚にはセックスは避けて通れません。
でも、アトピー女子にはこのセックスというハードルがものすごく高いものだとも思います。
湿疹が酷いときは風が吹いても肌がヒリヒリするし、下着も血や浸出液で汚れます。
治りかけのときはフケのような皮膚がはがれ落ちるし、色素沈着した傷跡も残ります。
やはり健康な人には不潔な印象に見えると思いますし(私も兄弟に“不潔だ”と言われたことがあります)、触れ合いたくても肌が痒くて、痛くてそれどころではありません。
そして、私は20歳頃にある決意をしました。
『将来どうなるかわからないけど、恋愛や結婚はできない可能性が高いから、自分でお金を稼いで生きていけるようにしよう』と。
悲壮な決意に思えますか?
でも、冒頭の結婚相談所の口コミも考えると、あながち間違った決意でもなかったと思います。
私も女性雑誌の記事を読んで、『いつか私もアトピーを理解してくれる男性に出会えればいいな』と思いました。
でも、このような男性に出会えるという保証があるわけでもありません。
皮膚科の先生はこうしたアトピー女子の悩みもわかっていらっしゃって、折に触れて「良くなってきたよ。結婚できるよ」と言ってくれました。
でも、私は今も結婚していません。
アトピーが良くなって結婚相手を探そうと思ったときはもう30代になっていて、男性の恋愛や結婚対象にはなりにくい年齢になっていたからです。
アトピーというと、“痒み、痛み”という表に見える症状に目が行きがちです。
でも、私は特に女性の場合、見た目、その先にある恋愛や結婚で悩むことの方が多いと思います。
今は雇用環境も厳しく、独身女性が非正規雇用での就労を繰り返し、貧困に陥りやすいことが指摘されることがあります。
少子化問題では晩婚化・非婚化の問題も取り上げられます。
でも、私をはじめとしたアトピー女子は病気ゆえの見た目で、結婚や出産には問題がないにも関わらず、男性からは恋愛や結婚の対象にされないことが多く、不安定な身分のまま孤独になりやすいと思われます。
私はもし運が良ければ結婚したいと思っています。
でも運良く相手が見つかったとしても、アトピーのことをどう相手に話すか、どうしたら理解してもらえるか、と考えることがあります。
私はこのブログをアトピーで悩んでいる女性のために書いています。
それは病気を持ちながらも生き生きとした、充実した人生を送ってほしいとの願いがあるからなのですが、もう一つの理由として『私のようにアトピーのために若くして恋愛や結婚をあきらめるような辛い思いをしてほしくない』との思いもあります。
アトピー女子にとって恋愛や結婚のハードルは高いです。
でも早めに治療できれば、早めに治るし、その分、恋愛や結婚できる可能性は高くなると思います。
だから、“これを使えばアトピーが治る”とか“夢のような治療法”という言葉に惑わされず、適切な治療に早くつながってほしいと思っています。
そして、家族や男性を含めたアトピー女子の周りの人にぜひ、お願いしたいのです。
アトピー女子は好きでアトピーを患っているわけではありません。
彼女たちは早くきれいな肌に戻りたいと思っています。
そして、勉強をしたり、仕事をしたり、恋愛や結婚もしたいと思っているでしょう。
不潔に見えるかもしれないけど、アトピーという皮膚病にかかっている以上、仕方ないのです。
治れば、きれいな状態に戻るのです。
私のように若い内に恋愛や結婚をあきらめることがないよう、彼女たちの心もサポートしてほしいと思います。