2016年12月10日

トランサミン、ハイチオール、ヒルドイドを処方してもらいました

トランサミン、ハイチオール、ヒルドイド。
美容のために良いとのことで、何かとネットで話題になっているらしい、この3つの薬品。
市販薬もあれば処方薬もある。
処方薬は当然、保険適用になれば安く済む…。

ということで、どうやって保険適用で手に入れるかに焦点が当たっているようです。

それはそうですよ。
市販でこれらの薬をそろえたら、1月10,000円はかかります。
ところが、処方薬であれば数千円で済みます。
大きな違いです。

ですが。
“処方薬”とはそもそも、“病気の治療に使われる”もの。
まず“病名”がはっきりしないとお医者さんも処方できないですし、さらに“病名”がはっきりしても“治療にその薬が必要”であることをお医者さんに認めてもらわなくてはなりません。


また、私は今医療機関で働いているのですが、病院やクリニックにはお医者さんの治療方針によって、置いている薬もあれば置いていない薬もあります(お医者さんが治療に採用していない薬品は薬局に置いていません)。
ですので、上の3つの薬を処方してもらうには、これらの薬品を使った色素沈着の改善に積極的なお医者さんにかかる必要があるのです。


ということで。

私はネットでそうした病院やクリニックを探しました。

条件としては…
@皮膚科で美容治療(レーザー治療など)も取り入れている(肌の見た目を良くする治療に積極的なお医者さんということ。そいうお医者さんならトランサミンなどにも詳しいはず)
Aアトピーの治療に詳しい
Bきちんと視診(目で症状を確認する)や薬の使い方を説明してくれる
でした。

Aの条件を入れた理由は、ヒルドイドという新しい塗り薬を使うに当たって、万が一、肌に合わなかった場合、適切な処置が必要だからです。

また、Bの条件は、アトピー治療で視診や説明もないままステロイド剤を処方され、使い過ぎで大変な思いをしたので、ただ薬を処方するだけではなく改善度合いや間違った使い方をしていないかチェックしてもらう目的で入れておきました。


そして、@とAの条件をクリアする皮膚科をネットで探しました。
すると1件のクリニックがヒット。
さっそく、行ってみることにしました。
(Bの条件だけは実際行って話してみないとわからないので、ダメだったら他のクリニックに行こうと思っていました)

どきどきしてクリニックに入ると、待合室に「トラネキサム酸配合薬をご希望の方は相談してください」との張り紙が…。

(え、これって、ここのお医者さんがクリニックがトランサミンを採用してるってこと?)

ちょっと、びっくりしました。


そして診察。
お医者さんにはこんなことを話しました。

「10年以上、他のクリニックでアトピー性皮膚炎の治療を続けている」
「治療自体はうまくいっていて不満はないが、その先生は顔の湿疹や色素沈着の治療には消極的である」
「ネットでトランサミンなどが色素沈着の改善に役立つと見たので試してみたい」

嘘偽りなく、直球で話しました。
お医者さんは腕や背中なども診てくれました。

すると…

「じゃあ、こういうメニューでどうですか?」

と、あっさりトランサミンとハイチオールなどを処方してくれたではないですか!

(え?そんな簡単にもらっていいの?)

かなりびっくり。

さらに先生の机の上にはご丁寧に、ヒルドイドまで置いてあります。
塗り薬には若干抵抗があったのですが、ついでだったので

「ネットではヒルドイドも良いと書いてあったのですが、具体的にどういうものなんですか?」

と聞いてみると…

「もともと、これは手術などの傷を治すのに使われている薬なんですよね。ヒルドイドはステロイド挫滅(ざめつ)に効きますよ。あなたの頬とか毛穴広がってるのとか良くなりますよ」

とな…。


はあ?挫滅?
この肌のぼこぼこって単なる加齢の影響じゃないんですか?


毛穴の開きは年齢的にも仕方ないと思っていた私。
でも、その皮膚科の先生にはそうはうつらなかった模様…。

「そうなんですか…。じゃあ、ヒルドイドも試してみます」


ということで、あっさり過ぎるくらいトランサミン、ハイチオール、ヒルドイドを手に入れた私。
もっといろいろ、お医者さんと話さなければならないと思っていたのですが、拍子抜けするくらい簡単でした。

そして私は処方してもらった薬を持ち帰り、さっそく、その夜からこの薬たちがどのくらい色素沈着に効果があるか、実験を始めてみたのでした…。

posted by まめれん at 20:27| Comment(0) | TrackBack(0) | アトピーの悩み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

一歩先のスキンケアをはじめてみました

先日、調子にのってある食べ物を食べた私。
それは前に何度か結構深刻なアレルギー反応(ショック状態に近い)を起こしたものでした。
しかし、私は食欲に勝てず、「最近、体調良いし、アトピーも落ち着いてるからいいや〜」と軽い気持ちで食べてしまったのです。

そして、てきめんにアレルギー性のじんましんが出てしまいました。
あっちゃー。やっちゃった…(^^;)

一応、軽いステロイド剤をぬって様子を見ていたのですが、全身に肌荒れが広がってしまいました。
湿疹は狭い範囲ですんだのですが、体に跡がぽつぽつと残ってしまいました。
さらに顔のはれが1週間くらい引きません…。

何気に体のあちこちの跡を見ると、去年ぽつぽつとできた湿疹の跡も残っていて、肌全体が茶色くくすんでいます。
一番ひどいアトピーはもう10年以上前に卒業したのですが、未だに背中やお尻にかけて湿疹が出ては跡が残る、ということが続いていました。
(腕や足など、湿疹が再発しないところはきれいなんですけどね…)
そのときふと思ったのです。
「一回、この茶色くくすんだ肌をアトピーになる前みたいにきれいにしてみたいな…」


そこで、ネットでいろいろ情報を集めていると、Lシステイン、トラネキサム酸などが肌のくすみに効果があると知りました。
そして、ヒルドイドに代表されるヘパリン類似物質が入った塗り薬が色素沈着の改善に良いということも。
市販ではハイチオールCとかトランシーノ、アットノンなどの名前で売られている薬がこれに当たるようです。

「あー、これ前に試してみたいと思ってたんだよな〜」

実はトランシーノとアットノンは知っていたのですが、金額的に毎月買うには厳しいと思って、断念していた薬だったのです。


しかーし…。
どうも、ネットの情報によると、この薬たちを処方してもらえる場合があるというではないですか…!
しかも、去年『皮膚科で処方される美容用薬品』として話題になっていたらしい…。

「処方薬なら3割負担だから、私のお財布でも続けられるかも…」


ステロイド剤を脱してから、あまり肌にいろいろな薬を塗ることに抵抗があった私。
そんな高級そうな薬をわざわざ皮膚科で処方してもらってまで試してみる価値があるのか…。

しばらく迷いましたが、結局試してみることにしました。
なぜか。


私はアトピーになって約10年間、ひどいかゆみと痛みに悩まされてきました。
さらに、その後は湿疹の跡に悩まされることに…。

「せめて一生にあと一回くらい、アトピーになる前のきれいな肌になってみたい」

そんな思いが浮かんだのです。


また、もう一つの考えもありました。

今まではステロイド剤から脱する治療を続けてきたのですが、ここ数年は湿疹が出ても前のように重症化することはなくなりました。
アトピーの治療としてはうまくいった方だと思います。
でも、湿疹の後遺症ともいうべき“色素沈着”には、ほとんど何もしていないことに気付いたのです。

「湿疹のコントロールはできるようになった。次は、色素沈着をコントロールする治療をしてみたい」

そして、地元のとある皮膚科に行って相談したところ…。

あっさりハイチオールやらトランサミンやらヒルドイドやらを処方してもらえました。
「こんな簡単に処方してもらえるものなのか」とびっくりしました。


ということで、少しずつトランサミンやヒルドイドなどを使った色素沈着対策ものせていきたいと思います。



posted by まめれん at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | アトピーの悩み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月09日

アトピーコントロールのコツ その2 ヘアケア商品は要注意

私がアトピーの治療を続けていた中で、“てきめんに肌に良くない”と思ったものがあります。

それは、『ヘアケア』商品です。

シャンプーからリンス、トリートメント、カラーリング、パーマなどなど…。
ヘアケアの商品はたくさんあります。
健康な肌の方はこうしたヘアケア商品を使っても肌荒れなどを起こすことは少ないと思います。

しかし、私の肌はヘアケア商品をほとんど受け付けませんでした。

まず、最初に頭皮にアトピー性皮膚炎が出たきっかけが市販のシャンプーでした。
それは本当に“フツー”のシャンプーで、一般的なスーパーマーケットなどで売られていたのです。
ちょうど、中学生の頃、おしゃれに目覚めた私は、そのシャンプーの“おしゃれ感”にひかれて使い始めたのです。背伸びしたい時期でした。

使い始めた当初は特に問題を感じませんでした。
使ってヒリヒリしたり、かゆみがあったり、ということもなかったと思います。

ですが、シャンプーはじわりじわりと頭皮にダメージを与えていたようです。
気がつくとフケのようなかさぶたが頭中に広がり、毎日頭をかきむしっていました。

でも、まさかシャンプーがアトピーの原因になっていると思っていない当時の私は、「洗い足りないからフケが出るんだ」と思い、さらにそのシャンプーで洗う回数を増やしていったのです…。


シャンプーがアトピーの原因と気づくのはそれから数年後。
今の主治医のクリニックに行った頃でした。
きっかけはよく覚えていませんが、何かで「市販のシャンプーなどにアトピーの原因になる成分が入っていることがある」と知ったのです。
そして、同じくアトピーだった友人の勧めもあって、シャンプーを使うのをやめ、石けんで頭を洗うようになりました。
その後、頭皮のアトピーは徐々に良くなり、再発することもなくなりました。


さらに時がたって、アトピーの炎症が落ち着いた頃、やっぱりおしゃれをした私は、再びヘアケアをすることにしました。
やってみたかったのは“パーマ”と“カラーリング”です。
シャンプーで痛い目にあった私は、毎日整髪料などを使うよりも、美容院でパーマやカラーリングをしてもらった方が肌に良いのではないかと思ったのです。

しかーし…。
ある日、美容院でパーマをしてもらったところ、薬液が頭皮に染みる染みる…。
ヒリヒリするどころじゃないんです。
本当に、痛いんです!

そして私は改めて、“ヘアケア商品の危険性”を思い知ったのです…。


その後も、ワックス、洗い流さないトリートメントなどなど試してみましたが、どれも使い始めると顔の皮膚が荒れることがわかりました。

健康な肌を持つ美容師さんですら、毎日仕事でヘアケアの薬液を使っていると手などの肌を痛めることがあると聞いたことがあります。
それが原因で美容師をやめる人もいるとか…。
そりゃ、アトピーの私に良くないわけです(;^ω^)。


ということで、今は必要最低限、厳選したものしかヘアケア商品は使っていません。
“洗い流さない”ものは肌への負担が大きいので避けて“洗い流すもの”に限り、使ったときは夜に必ず洗い流すようにします。
それで何とかコントロールしているという状態です。

「髪に良い成分は肌に悪い」とどこかで聞いたことがあります。
アトピーが治っていない内や肌荒れが続くときはヘアケア商品の使用を中止し、肌の回復を待った方が良いと思います。
posted by まめれん at 18:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月08日

天使の美肌水との出会い

さて、薬学博士の叔父・Dさんの話を聞いてから、私は自分の肌でも使える化粧水を探し始めることになりました。

まだ、アトピーが残っていたので軟膏での治療を優先していましたが、健康な肌を乾燥から守り良い状態を保つためにも、保湿剤が必要だったからです。

肌に優しい保湿剤としてはグリセリンがあげられると思います。
私もお医者さんからグリセリンを使うよう勧められました。

でも…グリセリンってすごくベタベタするんですよね。
まだアトピーが残る肌にはグリセリンが良いことはわかっていましたが、ただでさえ軟膏でべたつき気味も肌にさらにベタベタするグリセリンを塗る気にはなれませんでした。

そこで、ドラッグストアに行ってDさんやお医者さんのアドバイスに沿う化粧水を探すことにしたのです。
『先入観抜き』で

『先入観抜き』というのはつまり、『アトピーに良い化粧品という宣伝文句に惑わされない』ということです。


アトピーは本当につらい病気です。
四六時中襲ってくる痛みと痒み。
それから早く解放されたいという願いから、『○○がアトピーに良い』と聞くと、ついついそれにひかれて間違った治療法や化粧品を選びやすいと思います。

しかし、Dさんやお医者さんの話を聞いて、そういう宣伝文句にひかれることが危険なこともあると知った私は、まず科学的根拠を基礎に一から化粧品選びをし直そうと思ったのです。


そして、ある地元のドラッグストア。
そこは比較的大きなお店で、高級化粧品からプチプラ化粧品まで、いろいろな種類がそろっていました。

そこで以下の条件にあてはまる化粧水を探して、成分を一つ一つ確認していきました。

@パラベンが入っていないか
A成分数が少ないか
B1,000円以下で毎月買い続けられそうか

当時、ようやくパラベンフリーの自然派化粧品が出始めた頃で、パラベンフリーの化粧品を探すのにあまり苦労はしませんでした。
アトピーや敏感肌用に開発された商品もたくさんありました。

しかし…どうもピタッと上の3つの条件にあてはまるものがありません。

「成分が少なくて良さそう!」…と思ったらパラベンが入ってる…。
「パラベンフリーで良さそう!」…と思ったらやたらたくさん成分が入っていて、パラベン以外の保存料が入っていそう…。

そして意外にひっかかったのがBの“値段”でした。
私は全身に使うことを目的にしていたので、せっかく@~Bの条件にあてはまっていても、1本3,000~5,000円もする化粧品は買い続けられず、候補から外すしかありませんでした。

「アトピーなんで少数派だし、そんな人対象に安くて良い化粧品を作る会社なんてないのかな〜」と半ばあきらめかけていた、との時。

ドーン。
天使の美肌水しっとり 310ML -
天使の美肌水しっとり 310ML -

と天使の美肌水が目に入ったのです。

「あれ、これ700円くらいしかしない…。それにずいぶん、シンプルなボトルだな…」
と思い、手に取って成分表を見ました。

すると、
成分:水、グリセリン、尿素………のみ!


「ええ?3つだけ?これだけ?」
びっくりしました。
すごくシンプルな配合です。
しかも、保存料らしき表示は一切ない…!
値段も700円くらいで、私でも買い続けられる…!
3つの基準をすべてクリアした化粧水でした。

さっそく買って家で使ってみました。
化粧水は肌に直接つけてみないと、わかりません。
実際、「アトピーや敏感肌に良い」と謳っていても、肌につけてみるとヒリヒリすることもあります。

でも、天使の美肌水は違いました。
つけても全然ヒリヒリしない。
肌に水を補給している感じで、ひっかき傷に間違ってついてもしみたりしない…。

そして数日使ってみましたが、全く問題なく、お風呂上りに安心して使える化粧水として全身に使うようになりました。
まさか、こんなに早く理想の化粧水に出会えるとは思ってもいませんでした。

あれから10年以上経ちますが、今でも天使の美肌水を使っています。
最初はなるべく成分が少ないものを選んでいたため、“天使の美肌水・しっとり”と使っていましたが、その後、アトピーもかなり落ち着いて、よりうるおい感が欲しかったのでヒアルロン酸も入った“天使の美肌水・超しっとり”に変更してしています。

天使の美肌水 超しっとり 310ml -
天使の美肌水 超しっとり 310ml -

化粧水としての機能は最小限。
グリセリンを水に溶かしているため、グリセリンだけを塗ったときのベタベタ感がないだけでも十分役立ちます。

でも、この化粧水の良いところはもっと他にあるのです。

では、また次回に続きます。
posted by まめれん at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 化粧品(コスメ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月02日

国がアトピー患者さんの治療を後押ししてくれるようになります!

今日はとてもいいニュースがありました。
NHKで国や厚労省が医療機関と連携して、アトピー性皮膚炎も含めたアレルギー疾患の医療体制を本格的に整える方針を決めたのです。

以下、全文を引用します。

------------------
NHKニュースのWEBサイトより(2016年12月2日)

アレルギー対策で初の基本指針 厚生労働省 12月2日 16時51分


アレルギー対策で初の基本指針 厚生労働省


ぜんそくや花粉症などアレルギー疾患の患者が急増するなか、厚生労働省は、地域ごとに専門的な治療を行う拠点病院の整備や、患者の相談支援にあたる体制の充実などを盛り込んだ、アレルギー対策の基本指針を初めて取りまとめました。

アレルギー疾患は、この10年ほどで急増し、厚生労働省によりますと、国民の2人に1人がかかっていると推計されています。

しかし、専門の医師が不足していることから、適切な治療が受けられず、重症化する患者が後を絶たないことが問題となっています。

このため、厚生労働省の協議会は、ぜんそくとアトピー性皮膚炎、花粉症、鼻炎、食物アレルギー、それに結膜炎の6つのアレルギー疾患について、2日、対策の基本指針を初めて取りまとめました。

それによりますと、地域ごとに専門性の高い医師を配置した拠点病院や、かかりつけ医と連携して適切な医療を提供できる体制を整備するとともに、予防や治療の先進的な研究を進めるとしています。

また、インターネット上に科学的な根拠が明らかとはいえない治療などの情報があふれているとして、患者と医療関係者向けにホームページを作成し、最新の研究成果などの情報を提供するほか、患者の相談に応じる専門窓口を医療機関などに設置して支援体制を充実させるとしています。

厚生労働省は「アレルギー疾患は長期間、症状に苦しめられることが多く、生活への影響も大きい。今後は自治体などと連携して患者が安心して生活できる体制を整備したい」と話しています。


アレルギー疾患の現状は“2人に1人”

アレルギー疾患の対策を検討している厚生労働省の委員会は、平成17年にまとめた報告書で、「全人口の3人に1人が何らかのアレルギーを患っていると考えられる」と指摘していました。

その後、患者が増加し続け、平成23年の報告書では「全人口の2人に1人」と推計を見直しました。

このうち、ぜんそくの患者は少なくともおよそ800万人と推計しています。

花粉症を含むアレルギー性鼻炎は、国民の40%以上が患っていて、今後も増えると予想されています。

また、アトピー性皮膚炎は、国民のおよそ1割が発症しているほか、食物アレルギーについては、0歳児全体の最大で10%が何らかの食べ物のアレルギーがあると指摘しています。


アトピーが重症化した女性は

関東地方に住む荻野美和子さん(38)は、生まれてすぐにアトピー性皮膚炎と診断され、炎症を抑える効果のあるステロイドを含む軟こうを塗って症状を抑えてきました。

しかし、就職活動をしていた大学4年生の頃に皮膚の炎症が悪化し始めたため、荻野さんは、ステロイドが効かなくなったのではないかと考えたといいます。

そして、ホームページでステロイドを一切使わずにアトピーを治せるとうたった医療機関を受診したということです。

荻野さんは、そこで処方された薬を飲み、勧められたお茶を飲み、入浴剤も使いましたが、症状は改善しませんでした。

それどころか、炎症は顔や手足を中心に全身に広がり、かゆみが止まらなくなったということです。

荻野さんは、体中かきむしってしまうため傷が絶えなくなり、誰にも会いたくないと家に閉じこもるようになって、企業から得た就職の内定も辞退したということです。

それから5年後、荻野さんは、27歳の頃に家族の強い勧めで都内の医療機関に8日間入院し、ステロイドを使った集中的な治療を受けたところ、皮膚の状態は劇的に改善したということです。

そして、今は、結婚して2人の娘を産み、育児をしながらエアロビクスの講師をしているということです。

荻野さんは「今は普通の生活を送ることができるようになったが、アトピーが悪化していたときは、ステロイドを使わなくても治るという医師の言葉を信じて大切な20代の5年半が暗いものになってしまった。誰もが適切な治療を受けられるような体制を整備してほしい」と話しています。


不適切な治療で重症化も

不適切な治療が原因で重症化する患者が増えています。

アレルギー疾患に詳しい医師や患者会などによりますと、アトピー性皮膚炎やぜんそくは、炎症を抑えるために、一時的にステロイドを使った治療が必要になることがありますが、副作用を避けようとしてステロイドを使わない治療を続けると重症化することもあるということです。

また、アレルギーのある妊婦が子どもへの影響を恐れて薬の服用をやめたために重い発作を起こしたり、子どもの食物アレルギーは適切な食事指導や治療によって多くの場合、改善が期待できるのに、医師から対象の食べ物を一切与えないよう指示されて、治りにくくなったケースもあるということです。

日本アレルギー学会は、医療関係者を対象に、適切な治療などを紹介するガイドラインを公表しています。


専門家「医療体制の整備を急ぐ必要」

アレルギー疾患に詳しい、国立病院機構相模原病院の谷口正実臨床研究センター長は「ここ10年から20年ほどで、アレルギー疾患の患者が増えている要因のひとつは、生活環境が過度に清潔になっていることが考えられる。発症の原因は多岐にわたり、治療薬の選択が難しいのも特徴で、専門の医師が少ないため診断が誤っているケースも少なくない。アレルギー疾患は生命に関わることは少ないが、重症化すると仕事が手につかなくなるなど、生活の質が低下するため、医療体制の整備を急がなければならない」と指摘しています。

(出典:NHKニュース アレルギーの専門的な治療 拠点病院を指定へ

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このニュースはとてもうれしいです。
特に、重症アトピー性皮膚炎の女性の声を取り上げてくれたことにとても意義があると思っています。

私はこのブログを同じアトピー性皮膚炎に悩む女性のためにと思って書き始めました。

前に書いたかもしれませんが、私はアトピーが重傷化した20~22歳の頃、「こんな状態では男性に恋愛対象と思われないし、結婚もできない。一生1人で生きていかなければならない」と思いました。
二次的症状でうつ病にもなりました。

幸い私はその後、回復しましたが、NHKの記事にある女性と同じように、女性として最も大切な20代の多くの時間をアトピーとの治療に使わなければなりませんでした。

記事の女性は結婚して子どももいますが、私は結婚していません。
アトピーが治った時にはもう、いわゆる結婚適齢期は過ぎていたからです。
きっと、同じような境遇にある女性は私ばかりではないでしょう。

また、きちんとした情報がないまま効果のはっきりしない治療に高いお金を払ったり、貴重な時間を使ってしまうアトピー性皮膚炎の患者さんもたくさんいらっしゃると思います。

今、日本は少子化に悩んでいます。
でも、私は「アトピー性皮膚炎で恋愛も結婚も遠ざかっている女性を早く治療して、男性との交際ができるようになれば、きっと彼女たちが将来の子どもたちを産んでくれるのではないか」と思っていました。

アトピーで悩んでいる人の中には、「国が後押ししてくれることで何か変わるの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。

でも、今、医療機関で働いている私の経験から、国が後押しするのとしないのでは全く違ってくると言えると思っています。

治療の拠点病院ができれば、いろいろな症例と治療の知識や情報が蓄積されやすくなるし、そうしたものが蓄積されれば、将来今よりもっといい治療法ができて、今よりもっと負担なく、短い時間でアトピー性皮膚炎が治るかもしれないからです。
また、治療にかかる費用や仕事のことなど、より社会的・福祉的な支援制度もできるかもしれません。


私は今でも切実に願っています。
「私のように女性として大切な期間をアトピー性皮膚炎の治療のために浪費して、恋愛や結婚をあきらめる女性が出てきてほしくない。早くアトピー性皮膚炎の女性を治療して、恋愛や結婚、そしてその先の出産をできるようにしてほしい」と。


もし、この記事を読んでいるあなたがアトピー性皮膚炎で悩んでいるなら、ぜひ、これからのニュースにも注意してほしいと思います。
そして、拠点病院ができたら、すぐに近くの拠点病院に相談に行き、一日でも早く適切な治療を受けてください。

また、家族や知り合いにアトピー性皮膚炎の人がいたら、その人にもこのニュースを教えてください。
それがきっと、その人の人生を救うことになると思います。


私はこれからも、アトピー性皮膚炎の女性を応援したいと思っています。
posted by まめれん at 18:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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