そこでは徹底された“脱ステロイド剤”療法が行われていました。
初めて診察に行ったとき、主治医からは今まで使っていたステロイド剤を手放すよう言われ、ステロイド剤をやめた時の反動で湿疹が酷くなること、でもそれは一時的で体が慣れれば治ること…などを説明されました。
私は半信半疑でしたが他に頼るところもなく、とりあえず指示に従って今まで使っていたステロイド剤を手放し、赤ちゃんに処方されるごく弱いステロイド剤入りの軟膏とかゆみどめの内服薬を処方してもらいました。
しかし、脱ステロイド剤の反動は思った以上でした。
ただでさえ酷い湿疹なのに、なんとか抑えていたステロイド剤を使わなくなったわけですから、それこそ全身に広がって、やけどしたのか皮膚が一皮むけたのか…というくらいになったのです。
お風呂に入ってもかゆいし痛いし、下着は血や浸出液で汚れるし、寝ても覚めても“かゆい”“痛い”の毎日でした。
夜も眠れなくなり、うつ病にもなったのです。
治療方針が正しいことは知っていましたが、あまりにもつらい毎日でした。
一番つらかったのは、同じ年頃の女の子がかわいらしくおしゃれをしている姿を見ているときです。
「私もアトピーでなければ、みんなと同じようにおしゃれを楽しめたのかな…」と思い、涙にくれる日々もありました。
そして、ある日、私はもう一度ステロイド剤を使って楽になりたいと思って、病院を変えることにしたのです。
ある化粧品を持って…。
(以下、続きます…)