そして、いろいろな製薬会社や化粧品会社が、“アトピーでも使えるシャンプー”とか“皮膚科の医者が考えたアトピーの人用の化粧水”なるものが登場し始めたのです。
「これを使ったらアトピーが治るのかな…」
そう思って、私もそうしたシャンプーや石けん、化粧水を買って使い始めました。
初めて買ったアトピー用化粧水はBという名前(批判になるので、ここでは商品名を伏せます)のシリーズでした。
この化粧品シリーズは今でもドラッグストアなどで“アトピー用化粧品”として売られています。
さて、話は戻って、脱ステロイド剤治療がつらくなった私は、ある日このBというシリーズの化粧水、シャンプーなどを持って、C総合病院という公立病院の皮膚科にかかりました。
そこの皮膚科はアトピー性皮膚炎の治療に実績があると本で読んで知ったからです。
そして、診察のとき抱えていった化粧品やシャンプーをお医者さんに見せ、「私、こういうアトピー用化粧品やシャンプーを使っているんですが、どうですか?」と聞いたところ…。
「だめだよ!こんなもの!アトピー用って言ったってパラベンが入ってるんだから肌の刺激になって余計アトピーが悪くなるだけだよ!」
と、一蹴されてしまったのです…。
『アトピー用の化粧品でもだめってどういうこと?』
『そもそもパラベンってなに?』
私は混乱してしまいました。
本当はいろいろ質問したかったけど、そのお医者しゃんは気難しく私はもう一度診察を受けたいとは思いませんでした。
そうして、“パラベン”という謎を抱えたまま、元のA皮膚科に戻り、C総合病院での経緯を話したのです。
すると、A皮膚科のお医者さんもC総合病院のお医者さんと同じことを言います。
「その先生の言ってることは正しいよ。いくら肌に優しい、っていっても化粧品とか洗剤にはパラベンが入ってるんだから、そういうのは使っちゃダメ。お湯で流すだけでも汚れは落ちるし、アトピーの人は皮膚が薄いんだから石けんで洗うだけで十分だよ」
やっぱり“パラベン”ダメだし…。
『なんで、2人ともパラベンはダメって言うんだろう?』
『パラベンって一体何なんだろう…?』
『私はどの化粧品や洗剤を使ったらいいんだろう…?』
そうした疑問を抱えたまま、A皮膚科で治療を続ける毎日。
ある日、身内の集まりに行くことになった時でした。
母が「Dさんに聞いてみたら。あの人、薬学博士なんだから。大学病院で働いた経験もあるし、いろいろ教えてくれるかもよ」
そう、そのDさんというのは私の身内で薬学博士の叔父だったのです。
そして、Dさんの家に行き、Dさんから“パラベンがどういうものなのか”“どうやって肌に良い化粧品や洗剤を選べばいいのか”聞くことになったのです。
(以下、続きます…)