『じゃあ、一体私はどの化粧品を使えばいいの?』
『アトピー用の化粧品も使えないんじゃ、どうすればいいの?』
すっかり途方に暮れてしまいました。
そして、その折に叔父が実は薬学博士で詳しいと知り、ある日、身内の集まりのために叔父のDさん宅に行ったついでにパラベンについて聞くことになりました…。
※ここからはまとめず、当時の会話を思い出せる限りそのまま書いていきます。
読みづらかったらすみません。
高校の化学(ばけがく)の知識を持っているとわかりやすいと思います。
私「Dさん、私病院の先生に『パラベンが入った化粧品は使っちゃだめ』って言われたんです。アトピーに良くないって。どういう化粧品を使ったらいいかわからなくなって…。パラベンって何なんですか?」
俄然、色めき立つDさん。
若い人に自分の専門の話をするのが大好きなDさんは、早速、化学の講義をその場で始めました。
Dさん「あのねえ、まめちゃん。その先生方の言ってることは本当だよ。パラベンが入っている化粧品はまめちゃんみたいな肌が弱い人は使っちゃだめだね〜」
私「えー。どうしてですか?」
Dさん「まめちゃんは高校で化学を勉強したからわかると思うけど、まず世の中の物はね全部化学物質なんだよ〜。つまりこう、原子と原子がくっついてね〜、その組み合わせでいろいろな物質の性質が決まるって習ったろ〜」
私「はあ…確かに(私、大学受験のために化学勉強したら、学校で勉強したわけじゃないけど…)」
Dさん「世の中の物はみんなそうなんだよ。自然にあるものもそうだし、人工的に作られたものもあるし。それが病気の治療に役立つ場合は“薬”になるし、人間の体に悪ければ“毒”になるし。僕は薬学博士だから、病気の役に立つ化学物質の研究をしていた、ってことになるんだ〜」
私「はあ、なるほど」
Dさん「それでね、まめちゃんは勉強しているから知っていると思うけど、分子には安定なものと不安定なもんがあるだろう?」
私「あー、そうでしたね」
Dさん「そういう不安定な分子っていうのは、簡単に酸素とくっついたりして性質が変わっちゃうんだよな〜。それを防ぐためにパラベンみたいな保存料が入ってるんだよね〜」
私「へー、そうなんですか」
ここで、化学を勉強したことがない人のために…。
高校で化学を勉強したことがある人なら、一度は聞いたことがある“原子”と“分子”。
そして、原子の組み合わせによって性質が変わること。
これを二酸化炭素と一酸化炭素でおさらいしてみましょう。
まず、二酸化炭素の化学式はCO2。
炭素という原子(C)1個に酸素という原子(O)が2個くっついている分子ということです。
次に、一酸化炭素の化学式はCO。
炭素という原子(C)1個に酸素という原子(O)が1個くっついている分子ということです。
この2つの分子は同じ2種類の原子同士の組み合わせですが、数が違うため性質が違います。
まず二酸化炭素(CO2)は安定した分子です。
そのため、あまり変化はしません。
一方、一酸化炭素(CO)は非常に不安定な分子です。
そのため、他の酸素原子(O)などと結びついてすぐに違う分子になりやすい、という性質を持っています。
みなさん、“一酸化炭素中毒”って聞いたことがないでしょうか?
これは体内に取り込まれた一酸化炭素(CO)が血液中のヘモグロビンとくっついて、死んでしまうことです。
※詳しくはこちら→
このように、化学物質には安定したものと不安定なものがあり、不安定なものは他の原子などとくっつきやすく、性質も変化してしまうことが多いのです。
話戻って…。
Dさん「でね、化学物質は不安定なものだけじゃなく、安定したものも時間が経つと性質が変わることがあるんだよ。特に酸素と紫外線には注意なんだ」
私「鉄がさびちゃうみたいにですか?」
Dさん「そうそう。いくら安定した物質って言ってもね、長い間、空気にさらしとけば空気中の酸素とくっついて性質が変わっちゃうし、直射日光に当てていれば紫外線で変質しちゃう。だから、薬とかは1錠ずつヒートに入って飲むたび出すようになっているし、昔は紫外線で変質するのを防ぐために薬品を茶色のビンに入れてたんだよな〜」
私「なるほど〜」
Dさん「化粧品でも色のついたビンに入っているものがあるでしょ?」
私「はい、いろいろありますね」
Dさん「あれは単にデザインとかじゃなくって、紫外線で中身を変質させないために色をつけている場合もあるんだ。だから、そういう化粧品は透明のボトルなんかに入れて使っちゃいけないんだよね〜」
私「へー、そうだったんですか…」
Dさんが話す化粧品の驚きの事実…。
まだまだ続きます…。