でも、アトピーを持っている本人は毎日、毎日かゆみや痛み、
そして、精神的な苦痛の連続で大変な思いをしています。
一般的に、病気には“急性期”“回復期”という考え方があります。
一番、病状が悪い“急性期”は患者さんは仕事や家事、勉強を後回しにし、治療に専念しなければなりません。
体に負担になることは一切避け、安静を図るのもこの時期です。
お医者さん、看護師さん、家族、みんなが理解して、患者さんを手伝いますよね。
ところが、アトピーの場合は“命に別状がない”との考えから、“アトピーで仕事や勉強を後回しにする必要はない”とか“休養や安静なんて必要ない”と思われ、病状がひどくなっても、休養を取ることがまわりの人に理解されないことが多いと思います。
でも私は、アトピーが一番重症なとき、つまり、一般の病気でいう“急性期”には、たとえ命に別状がないとしても、休養や安静が必要だと思っています。
仕事や家事、勉強を後回しにしても“今、しんどい状況からあらゆる手を尽くして抜け出さなければならない時期”というのが、アトピーにもあると思うのです。
私が一番、アトピーがひどかったときは、食事のときのはしの上げ下げすらつらく、夜も痛みやかゆみで眠れず、勉強にも集中できませんでした。
お風呂に入るのにも一苦労で、毎日の最低限の生活を送るのもやっと、ということが1年以上あったのです。
特に、ステロイドを抜いている最中は症状が悪化しやすく、身体的にも精神的にも一番しんどく、消耗した時期だったと思います。
しかし、家族は“アトピーなんて命に別状がない”との考えから、私が休養を取ったり、安静にして横になっていることを良く思っていませんでした。
今、うつ病が広く社会に知れ渡るようになって、“うつ病には十分な休養と療養が必要”という考えが当たり前になっています。
私は“アトピーにも休養や療養が必要。家族やまわりの人に、アトピーにも急性期があり、休養や安静を取るための療養期間が必要だということを理解してほしい”と思っています。
ラベル:アトピー 治療 協力